僕が購読している某メルマガに「死にたい」というキーワードはブログアクセスが稼げるという話があった。
不謹慎な話にも聞こえるが、ブログの記事は至って真面目だった。
万物に等しくいづれは訪れる「死」を待てずに、自ら「死」を選ぼうとしている人達に対して、スピリチュアルな内容の記事は、もしかしたら踏みとどまって「生」を全うしようと思う人もいるのかもしれないと思えるような記事だった。
実は僕も小学生の頃、ふざけて友達の家の障子を片っ端から破って遊んで、しこたま親に怒られた後、突発的に自殺を考えたことがある。
テレビで見た手首をカッターで切る方法で死んでしまおうと、カッターを持ち出して手首に当てた。
その時の「死にたい」と思う気持ちは割りと本気だったから、後はカッターを横に引くだけだった。
でも何度「死のう」と思っても、結局怖くてカッターを横に引くことができなかった。
それ以来「死んでしまったほうが楽かも」と、ふと思うことがあっても「どうせ自殺する勇気が自分にはない」ことがわかっているので「なんとかなるさ」と思うようになった。
「死にたい」と検索する人の中には、「死にたい」けど「死ねない」人達も多くてわざわざ検索するんだろうと思う。
では、実際に「死にたい」と検索したときにどんな検索結果が出るんだろう?
疑問に思ったのでGoogleアシスタントに「死にたい」と聞いてみた。
「死にたい」とGoogleアシスタントに聞いた結果
「無料で相談できる秘密厳守の窓口などがありますよ。ひとりで悩まずに、一度相談してみてください」
その後に、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556」が表示されていた。
以前のGoogleであれば多分、死にたい人が書いたブログや自殺の方法などが書かれた記事などが上位表示されていただろうに、いつからこうなったのか。
「死にたい」とGoogleで検索してみた結果
Googleアシスタントと同様に、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556」が一番上に表示はされるが、そこから下は「死にたい」にまつわるNaverまとめ記事やブログ記事、Twitterのハッシュタグが上位表示されている。
「死にたい」とYahooで検索してみた結果
Yahoo JapanはGoogleの検索アルゴリズムを使っているので全く同じ結果かと思いきや、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556」がバナー表示されていたり、Twitterの「死にたい」ハッシュタグの順位が違ったりしていた。
基本的な検索アルゴリズムはGoogleだが、Yahoo Japan独自の検索処理を加えているんだそうだ。
「死にたい」とBingで検索してみた結果
最後にマイクロソフトの検索エンジンBing。
厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556」は表示されていない。
一番上はなんと断食道場の広告だ。
そんなんだからGoogleに追い抜かれ、圧倒的に負けるんだよ。
自殺を目の前で見た体験談
サラリーマンをしていた頃の話。
自殺現場に出くわしたことがある。
20年近く前のことだが、強烈な印象で今も記憶に残っている。
年末も押し迫った寒い朝の出勤時間。
地下鉄の階段を登り、当時の勤務先へ向かう途中、同僚のA子が先を歩いているのが見えた。
声をかけようと小走りに歩き出した直後、A子の頭上に大きな物体が落ちてくるのが見えた。
「危ない!」と思った瞬間、A子の目の前に「ゴツッ」と鈍い音を立てて落ちた。
それと同時に朝日を浴びてキラキラと光る、キレイな白子のようなものが僕の目の前にも飛んできた。
「あっ」と思った時には遅く、それを踏んでしまった。
A子は「きゃあー」と叫んだきり、両手で顔を塞ぎ言葉もなくその場に座り込んでしまっていた。
何が起こったのか全くわからなかったが、とりあえず座り込んでしまっているA子を起こしに行こうと近づいた…落ちてきた物体に目をやりながら。
近くまで行くとそれが人間だと分かった。
頭は一部がパックリ割れ、血が辺り一面に飛び散っていた。
先程のキレイな白子のようなものも一緒に。
「もしかしてこれって脳みそなのか?脳みそってこんなキレイなのか…」
場違いなことを考えながら、A子をなんとか起こし、抱えながらすぐ目の前の職場へと向かった。
辺りはすでに人集りができていたが、当時はまだ携帯電話がなかったため、皆呆然と立ち尽くしていたように記憶している。
しばらくしてからパトカーや救急車が到着し、現場はさらに騒然としていた。
年齢ははっきりしないが、飛び降り自殺したのは初老の男性。
年末ということで、なにか切羽詰まって自殺という選択肢を選んだのだろう。
詳しい場所は敢えて伏せるが、新宿西口の人通りの多い路地だった。
3階建てのビルの、屋上から飛び降りたと思われる。
それから1ヶ月近くは、生肉を見ると吐き気を催したり、肉を食べれなくなった。
また、職場が自殺現場のすぐ目の前のビルだったこともあり、どうしてもその道を通らざるを得なかったが、おじさんが落ちた場所だけは避けて通ったことは言うまでもない。
だが通る度に、またあの「キラキラした白子」がまだ落ちてるんじゃないかと気になり、足元を見ながら歩くクセがついた。
おじさんがなぜ年末の寒い朝に、自らの命を経ったのかは定かではない。
でもわざわざ人通りの多くなり始める時間帯を選んだのには、何かしら訳があったんだろう。
ふと中学生の頃に読んだ「完全自殺マニュアル」に書いてあったことを思い出した。
富士の樹海で首を吊って自殺する方々も、比較的入り口に近いところで自殺する。
その理由は「気づいて欲しいから」。
おじさんも最期の最期、自分を哀れんで欲しかったり、存在をアピールしたかったんだろうか。
あとがき
「死にたい」思う気持ちはわからんでもない。
確かに「死んでしまったほうが楽なんじゃないか?」と思うこともあるだろう。
だが、前述の飛び降り自殺目撃の他にも、電車飛び込み自殺現場にも出くわしたこともある僕だから敢えて言わせていただくが、周りに迷惑がかかるような死に方は本当に止めていただきたい。
見たくもない人の死を目の前でいきなり見せられるのはたまったもんじゃない。
そんなものはドラマや映画、ゲームの中だけ充分だ。
自殺を実行する前に是非、厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556」に電話するなり、最期に話しておきたい人に相談してください。
それでも死のうと覚悟を決めているなら、どうかひっそりとお願いします。